市東地域の豊かな里山自然を活用し、そこで暮す技や知恵、そして伝統を伝えていく自然の学校。今回は「暮らしの教室」です。自然の中で昔ながらの「暮らし」や「遊び」を思いっきり楽しみました。 雲ひとつない快晴のもと、市原市東国吉にある「ふれあいの森」に100名近い参加者の皆さんが集まりました。今回は一般参加者に加えて、帝京平成大学作業療法士コースの学生さん達が、運営スタッフを兼ねて参加してくれました。 まずは自然の学校の校長先生のお話しをききます。自然の学校では毎回最初にこんな話をします。「自然の中では何をするのも自由。ただし、安心安全は自分で作るもの。」とても大切なことです。ここは安心安全が確保された都市ではなく、自然の中なのです。自由に思いっきり遊ぶことが出来るけれど、安心安全は自分で確保しなければならない。そのことを常に頭において、最後まで怪我なく思いっきり遊びましょう! 今日は、餅つきも予定しています。つきたてのお餅で、お雑煮やお汁粉を美味しくいただく予定です。そこで、まずは食器作りです。竹をきって、適当な長さに割り、竹の箸を作っていきます。匠の技を見ながら、それぞれに箸を作っていきます。 ノコギリやナタを使うのは初めてという子供も、手取り足取り教わりながら、自分の使う箸を自分で作っていました。箸だけでなく、コップやお皿も竹で作ります。 今回タイミングよく、この自然の学校の直前に近所でイノシシが罠にかかりました。昨年生まれた子供のイノシシです。ほんの十数年前までは、この地域にはイノシシはほとんどいませんでした。それが年々増え続けて様々な問題が生じている事。今、この自然の中では人と自然が対峙して生きていかねばならなくなっている事、などのお話しもききました。 ある子供がこのイノシシを見て、「死んでるの?」といいました。そうです。死んでいますね。死んだイノシシはやさしい顔をしています。目の形がハートマークです。ハートマークは日本では古来から「猪の目模様」といいます。 そして、解体です。手際よく解体されていく様子をみんな興味津々で見学です。普段私たちが口にするお肉も、こうやって命をいただいているんだよと、そういう当たり前の事でも、こうしてみることで実感として感じることが出来ます。貴重な体験です。 昔ながらの遊び「福笑い」。今回は大きな「おかめ」と「ひょっとこ」の福笑いです。目隠しをして、「これは目?鼻かな?」といいながら、顔を作っていきます。なかなか難しく、出来上がった顔を見て大笑い。昔ながらの楽しい遊びですね。 もう一つの昔ながらの遊びは「巨大カルタ」です。カルタは市東地域の名所を紹介したもので、プロジェクトメンバーが集まって、手作りしました。大人も子供も本気モードです。全力疾走して、最後はヘッドスライディングまで。 昔ながらの遊びは次々と出てきます。ベーゴマ名人同士の対決は大人もみんな見たがる名勝負。そして、ベーゴマの回し方を教わりました。なかなか難しいですね。 そうして遊んでいるうちに、もち米がふかしおわったので、餅つきです。初めて餅つきをする人も多かったですが、これも匠の技を教わり、しっかりと美味しいお餅が出来ました。 つきたてのお餅はお雑煮や、お汁粉、それから、きなこ餅などとして、みんなで美味しくいただきました。思いっきり遊んでお腹もすいていたし、なにより自然の中で食べるつきたてのお餅は最高ですね! そして、本日のメインイベント、「餅投げ」です。餅投げの前に、餅投げは家を新築した時などに、家の主や大工の棟梁が屋根に上って餅を投げ、親餅といって最後に大きな紅白の餅を投げていたこと、餅投げの時はみんな真剣に拾っていたことなどのお話しをききました。 今回は前日に餅投げ用についた紅白のお餅と、中には、駄菓子屋「十五や」の金券が入っているものも。大人も子供もワイワイと真剣に餅を拾っていました。 「ふれあいの森」の自然の中で思いっきり遊んで、食べて、あっという間に時間が過ぎていきました。「安心安全は自分で作るもの」という心がけで、誰一人怪我することなく、笑顔で終えることができた「自然の教室」です。 次は、また「百ねんたんぼ」の田植えなどでお会いしましょう!
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市東地域15町会共創プロジェクトでは、以前より、地元の小中学校で、地域の自然、文化、匠の技など、様々なことを伝えるために何か出来ないかと検討してきました。中学校では昨年、防災講習を行うことができました。 このたび、市東第一小学校にて、「道具の使い方」の授業に是非出前授業を行ってほしいとのお話しがあり、3年生を対象に実施することとしました。 出前授業では地元に沢山ある竹をノコギリできって、竹ボックリを作ることとしました。また、竹箒の作り方や直し方も学びます。 まず、準備として、プロジェクトのメンバーで市東第一小学校の近くの竹林から竹を伐ってきました。 市東第一小学校の近くには竹林が沢山あります。竹ボックリを作るには、太い孟宗竹が適しています。竹林の地主さんの許可を得て、竹を伐り出します。 伐り出す竹は、生えてから2~3年経過しているもので、出来るだけまっすぐであること。それから、今回は竹の枝落としから体験してもらおうということで、枝が綺麗についていること、などなど、「あれがよさそうだ!」「いや、こっちの方がいいぞ」などと竹選びから長年の経験が活きます。すぐに3本の竹を伐り出して、長くて重い竹を大勢でかついで小学校まで運びました。 2024年1月16日の朝、出前授業の始まりです。まずはプロジェクトメンバーの自己紹介から。 そして、この市東地域のこと、市東地域15町会共創プロジェクトの取り組みなどのお話し。和やかな雰囲気で始まりました。 そして、体育館に移動して、道具の説明をききます。ノコギリには竹用や木材用などの種類があること。ナタは両刃と片刃があること、などなど、道具一つにも色々なことがありますね。生活に根差した地域の匠の知識がしっかりと伝えられていきます。 そして、いよいよ校庭に出て、並べられた竹を見て、その長さにビックリ。「これが立っていたんだぞ~」というと目を丸くする子供たち。遠くから見る竹林の竹は、実はこんなに長かったんですよ。 そしていよいよ、枝落としをやってみます。まずは師匠のお手本を見てから、一人ずつ挑戦です。みんな丁寧に教わりながら、綺麗に枝を落とすことが出来ていました。 この日はとても寒く、風も強かったので、枝を落としたあとは、竹を体育館に運び込んで、いよいよ竹ボックリ作りです。 完成した竹ボックリを見たあと、さあ、一人ずつノコギリをもって竹をきっていきます。 孟宗竹は太くて、また2~3年経過した竹は硬くて、結構大変です。時々休憩しながらも、最後まで切り落とした時は歓声が上がります。 そしてドリルで穴をあけ、紐を通して竹ボックリの完成です。完成した竹ボックリでみんな楽しく体育館を歩きまわっていました。 そして、竹の枝も使って竹箒を作っていくのをみんな興味津々に見学です。 いつも使っている竹箒、こうやって作って、そして古くなった竹箒を直すこともできるんだよ。 そして、竹は昔から、色んな道具に活用されてきました。そんな昔ながらの道具の説明をききます。さて、この道具は何のための道具?どんな風に使ったの? 市東地域に沢山ある竹。そして、竹を使う伝統の知恵や技。そして、実際に道具を使って、竹をきる。子供たちが竹に接し、道具を使い、出来た竹ボックリで楽しく遊ぶ。地域の匠の知恵や技が伝わると同時に、地域の匠の方々と地域に暮らす子供たちの絆も出来た気がしました。子供たちは楽しそうでしたが、プロジェクトメンバーもみんな楽しく過ごしていました。また、こういう機会があれば、今回の3年生に限らず、多くの子供たちに地域の技や知恵を伝承していければと思います。
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プロジェクト広報チーム市東地域15町会共創プロジェクトの広報チームがプロジェクトや地域の活動状況を紹介します。 Archives
November 2024
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